校正デスクは、日本語原稿のてにをは・表記ゆれ・誤字脱字・句読点・敬語・日付などを、ブラウザの中だけで検査するツールです。原稿はサーバーに送信・保存されません。AI・外部APIは使わず、辞書と形態素解析による決定論的な検査だけで動いています。
1 基本的な使い方
テキストで検査する
- トップページの「テキスト」タブに原稿を貼り付けます(改行=段落として扱われます)。
- 「校正する」を押すと、右側に指摘が一覧で並びます。
- 本文ビューでは該当箇所が色分け表示されます(誤り=赤、要修正=橙、要確認=青)。指摘をクリックすると該当箇所にジャンプします。
- 確認済み・対応不要な指摘は個別に除外できます(「除外済みも表示」で後から再確認可能)。
PDFで検査する
- 「PDF」タブにファイルをドロップ、またはクリックして選択します。
- 組方向(自動判定/横組み/縦組み)と見開き(自動/単ページ/見開き)を必要に応じて指定します。誌面全体は基本的に自動判定で問題ありません。
- 抽出結果を確認し、問題なければ「テキストとして編集」でテキスト側に移してから校正します。
画像化された文字(スキャンPDFなど)は抽出できません。縦組みと横組みが同一ページに混在する誌面では抽出テキストが部分的に混線し、実在しない誤字として検出されることがあります。PDF由来の指摘、特に「誤り」判定は抽出結果を目視で確認してから対応してください。
結果の書き出し
指摘一覧は Markdown・CSV・JSON で書き出せるほか、印刷にも対応しています。編集部内の申し送りや、対応チェックリストとして使えます。
2 設定(媒体の方針)
右上「設定・用語集」から開く設定パネルで、媒体ごとの表記方針を切り替えられます。設定はこの端末のブラウザに保存されます。
| 項目 | 選択肢 | 備考 |
|---|---|---|
| 数字 | 多数派に合わせる/半角統一/全角統一/検査しない | 原稿内の実際の使用比率を見て自動判定する「多数派」がデフォルト |
| 波ダッシュ | 〜(U+301C)/~(U+FF5E)/検査しない | OS・フォントによって字形が異なるため媒体で統一するのが望ましい |
| 文体 | 多数派に合わせる/です・ます/だ・である/検査しない | 混在検出の基準になる文体を指定 |
| 三点リーダ | 「……」2つ重ねを正とする/検査しない | 「…」1つや「‥」との混在を検出 |
| 一文の長さ | 「要修正」「要確認」それぞれ文字数で個別指定(既定: 120/80) | 長文の目安。読点の打ち方次第で誤検出が増えるため媒体で調整 |
検査項目自体(てにをは・誤用・表記ゆれ・用字用語など各カテゴリ)は設定パネル内「検査項目」からカテゴリ単位でオン・オフできます。特定の指摘だけを消したい場合は、後述の用語集でルールIDを個別に無効化する方法が適しています。
3 用語集(ユーザー辞書)の書き方
編集部・執筆者ごとの用字用語ルールを1行1ルールで登録できます。この端末のブラウザ(localStorage)に保存され、書き出し・読み込みでファイルとして持ち運べます。
!ねんきん定期便 保護語(固有名詞。全ルールの検出対象から除外) 弊誌=>本誌 # メモ NG=>OK の置換ルール お客様|お客さま=>お客さま 表記ゆれグループ(=> の右が推奨表記) -hira-itadaku 組み込みルールを無効化(IDは各指摘カードに表示)
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
!語句 | 保護語登録。固有名詞・商品名・人名などを全ルールの検出対象から除外します。 |
NG=>OK | 置換ルール。左(NG)が出現したら右(OK)を推奨表記として指摘します。# メモで理由を添えられます。 |
A|B=>A | 表記ゆれグループ。|区切りの語のどれかが出たとき、=>右側を推奨表記として指摘します。右側を省略すると単なる表記ゆれの検出のみになります。 |
-ルールID | 組み込みルールの無効化。ルールIDは各指摘カードに表示されているものをそのまま使います。 |
用字用語の既定辞書は共同通信『記者ハンドブック』・文化庁「公用文作成の考え方」の一般的な基準を参考に独自に作成したもので、逐語的な準拠ではありません。媒体固有の基準(社名表記・独自の言い回し・業界用語など)は、既定ルールと食い違う場合は必ず用語集で上書きしてください。
4 指摘の見方・使い方のコツ
- 誤り=ほぼ確実に直すべき指摘、要修正=表記ルール違反、要確認=媒体方針や文脈に依存する指摘です。「要確認」は候補を示すのみで、文脈判断はツール側では行いません。
- 校正デスクは「迷ったら出す」設計です。見落としを避けるため、誤検出も一定数含まれる前提で使ってください。頻発する誤検出は除外設定や用語集の保護語登録で調整できます。
- 指摘はあくまで提案であり、原稿は書き換えません。最終判断は必ず人(編集者・執筆者)が行ってください。
- 初めて使う原稿では、まずデフォルト設定のまま一度通し、出てきた指摘の傾向を見てから設定・用語集を調整するのがおすすめです。